離婚して何も手続きしなければ、
結婚で苗字を変えた方は元の苗字に戻ります。
しかし離婚する方の中には、
しっかり手続きして、
そのまま苗字を変えない方もおられます。
そしてそれには、
なんとなくということもありますが、
しっかりとした理由があって
そのまま変えない方もいるのが現実です。
離婚のプロでもある私も、時折
そのまま苗字を変えないメリットについて
聞かれます。
そこで今回は、離婚後に苗字をそのまま
変えないメリット・デメリットと共に、
その手続きや戸籍、お墓などについても
お伝えします。
あなたの離婚に、お役立てくださいませ。
離婚しても苗字は変えない派が多数って本当なの?
離婚しても苗字を変えない方も
一定数おられますが、
これについての明確な統計はないため、
一概に多数派かどうかは分かりません。
ただそれでも、
一部の例外的な方だけの話ではなく、
相応の数の方が苗字を変えないようです。
つまりそれほど、
苗字を変えないことによるメリットも
あるという事ですね。
もっとも、変えるメリットもあれば、
変えないメリットもあるため、
総合的に考えることが重要です。
ちなみにこういう時は、
デメリットの方を強めに意識すると
失敗しにくいかもしれませんよ。
次の章では、
そのメリットについてお伝えします。
離婚しても苗字をそのままにするメリットとは?
離婚しても苗字を
そのままにするメリットは、
「周囲に離婚した事実を知られにくい」
という点が挙げられます。
特に子供の苗字を変えてしまうと、
周囲の子供からイジメを受ける可能性も
ある点が大きいでしょうか。
また親にとっても、
仕事上で名前や存在を忘れられやすいため、
これを防止する意味でも苗字を
そのまま変えない方もおられます。
離婚しても苗字をそのままにするデメリットはある?
離婚しても苗字を
そのままにするデメリットとしては、
以下が挙げられるでしょうか。
- 別れた相手との関係が残る
- 戻したくなっても簡単には戻せない
- 再度結婚離婚したら旧姓に戻れない
やはり、デメリットも大きいですね。
変えるにしても変えないにしても、
後戻りできない大きな決断といえます。
慎重に判断していきましょう。
なお、実際には悩むのは直後程度で
すぐに忘れる方もいますから
そこまで重く考えなくても
いいかもしれません…。
離婚後苗字を変えない場合はどんな手続きが必要なの?
離婚後に苗字を変えない場合は、
離婚の日から3ヶ月以内に、
「離婚の時に称していた氏を称する旨の届」
を役所に提出する必要があります。
そして、この手続きをしなければ、
結婚で苗字を変えた方は、
自動的に旧姓に戻ります。
なお、離婚の日から3ヶ月を超えても、
「やむを得ない理由」があれば、
「氏の変更許可の申立て」を行うことで、
苗字を変えられる可能性があります。
離婚しても苗字をそのままにしたら戸籍はどうなるの?
結婚で苗字を変えた側が
離婚後も苗字をそのままにすると、
元の戸籍には戻らず、
新しい戸籍が作られます。
ちなみに、この方が
子供の親権を取った場合は、自動的に子供も
その新しい戸籍に移るようなことはなく、
「子供が親の戸籍に入籍する旨の届出」が
必要です。
また、子供と親の苗字が違う場合は、
同じ戸籍に入れることはできません。
一般的な結婚で苗字を変えるのも、
離婚で子供を引き取るのも女性ですから、
この点も苗字をそのまま変えない
メリットといえます。
離婚後苗字を変えない場合のお墓はどこに入ることになる?
離婚後に苗字を変えない場合でも、
どこのお墓に入るかは
「お墓の管理者次第」です。
これには、特に
法的なルールがあるわけではありません。
例えば墓の管理人がご両親で、
そのご両親の同意があれば、
名乗る苗字に関係なくお墓に入れてもらえます。
ただし稀に、墓地上の運営ルールとして
納骨できる方に制限がある場合もあるため、
注意が必要です。
離婚しても苗字を変えない場合再婚するときはどうなる?
離婚しても苗字を変えない場合でも、
再婚すれば原則、初婚と同じく
その相手の苗字に変わります。
ただし先ほども触れましたが、苗字を
そのまま変えずに再婚して苗字を変えると、
もう旧姓には戻れなくなるため、
注意が必要です。
一度離婚を経験した方なら、
再度の離婚の可能性も視野にある事が多いため、
もしかしたら再婚への足枷になることも
あるかもしれませんね。
まとめ
今回の記事では、
離婚後も苗字をそのまま変えない事について
- 周囲に離婚を知られにくいのがメリット
- 複数のデメリットもある
- 変えない手続きが必要
- 戸籍は新しく作られる
- 苗字とお墓は原則関係性ナシ
- 再婚すると旧姓に戻れなくなる
とお伝えしました。
変えるにしても変えないにしても
苗字は本人を表す大事なものです。
その上で、中々簡単には変えられない
重い決断になるものですが、しっかり考え
離婚後の苗字を決めていきましょう。
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